このページは教育キネシオロジーとブレインジムの新しい動きをお伝えするものです。
日本語に翻訳する際に、英語原稿にあるBrain Gym(R)の表記は、Brain Gym(R)(ブレインジム)としています。文章中にBrain Gymがあっても登録商標のマークがついていないときは、ブレインジムと訳しています。

□『EDU-K UPDATE』7月号の全訳
  ・「Brain Gym®(ブレインジム)」のニュース&イベント
  ・The Q:バランスを探し求めて
  ・Edu-Kの秘訣:近所で講座が見つからなかったらどうしますか?
  ・チームをよろしく:イブ・ミミアガ


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 EDU-K UPDATE 2011年7月号
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◇ご挨拶: 財団認定インストラクターが受ける利益の一つは、週毎の電子メールです。お知らせ一般や、方針、プログラムの最新版などを知らせるのに使われています。ある時は日常生活やBrain Gym®(ブレインジム)のプログラムについての事務局の簡単な意見のときもあります。先週のメールはインストラクターのみなさんの心に訴えるものがあるように思えました。そのテーマは「混乱状態でのセルフケア」でした。この通信にも入っている話題と関連していると思います。あなたがこの改定版を楽しむことを願っています。

生活のペースは往々にして予測不能です。ある時は静止状態でありながら、次の瞬間には全てが完全に同時に起きているように思えます。また別な時は、高速の猛スピードで線路を突っ走る貨物列車のように感じます。

私たちはみな、立ち止って自分に心を配る大切さを知っています。しかし、そうすることは必ずしも実際的ではありません。高速で走る電車から飛び降りるつもりは確かにありません(いえ、衝突しそうなら別ですが・・・それはまた別な話です!)。むしろ、しっかり腰を据えて徐々にスピードが再び落ちることを信じて、旅の混沌を受け入れる方が道理にかなっています。

ブレインジムの動きの素晴らしさは、人生のどんなペースにもぴったり合うことです。バランス調整に深く没頭しようと時間をかけることによって「休止状態」をフルに活かせるし、PACEを使って「完全な速度」の間でも準備ができ、やる気になり、できる状態を保てます。また、混沌としたひとときに対処できるように、一日のいたるところに動きをちりばめます。

私にとってカギは「気づき」にあります。気づきによって、自分に心を配るにはどうすればいいかを意識できます。私にとって、セルフケアはいつも一時停止することとは限りません。誰か他の人や他のことの方こそが、私の「休息」の必要よりも重要な場合があります。自分が疲れ果てているのに気付けます。人生の全体像を評価し、ひと息つく機会をうかがうのを意識的に選べます。そしてそのとき、とりあえずどんなリソースが私の助けになるかがわかります。「一時停止する」にしろ「利用可能なツールを使」って努力するにしろ、どっちにしても私はセルフケアに携わっているのです。

人生のさまざまなスピード全てを楽しめますように!

敬具
事務局長  ケェリー・コーディ

◇「ブレインジム」のニュース&イベント
〜第11回カナダ夏季学会〜
   2011年7月31日〜8月8日
   カナダ、オンタリオ州オタワにて
   連絡先:Maureen Priest

〜IKC国際会議 〜国際会議に参加しよう〜〜
  2011年8月25日〜28日
  ハンガリー ケチケメート
  連絡先:Zsuzsanna Koves

〜正式なお知らせです!日にちを控えてください!〜
2012年Brain Gym®(ブレインジム)年次会議の日取りと開催場所を決めました。
  2012年8月2〜5日
  アメリカ合衆国コロラド州フォートコリンズ
  コロラド州立大学にて
  詳細については引き続き注意していてください。
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思い出してください。みなさんの地域でBrain Gym®(ブレインジム)デーを開けます。財団に名簿を提出すれば、財団認定インストラクターは開催の免許を交付してもらえます。ブレインジムデーは小会議の役目を務めるよう考えられています。その中身は、バランス調整、ゲスト講演、ネットワークづくりなどです。ブレインジムデーの展開に興味があるなら、info@braingym.orgに連絡をください。



◇Brain Gym®(ブレインジム)物語 ジェシカ・ブリュワー
あるBrain Gym®(ブレインジム)101の学習者はこう伝えています。

私のBrain Gym®(ブレインジム)101講座の最終日、夫は家に帰るとストレスでイライラしていました。普通私たちは座って彼の一日について話すのが日課なのですが、その晩彼は「僕に何かブレインジムをやってくれる?」と尋ねてきました。私はその問いにちょっと笑いましたが、「バランス調整」の課題としてこの機にこれをやることにしました。まず私は彼に日ごろ何をストレスに感じるか訊きました。彼の日々の仕事のほとんどは、自分のチームがより速くより正確にそれぞれの過程を終えられるように、会議に出席して新しいプログラムを設計することです。彼は生命保険の変化を処理する業務のチーム(ほとんどが40〜50代の女性)を率いています。言うまでもなく、このチームを新しいコンピュータのプログラムに対してやる気にさせるのは、たとえプログラムがもう少しよくなっているにしても、やり遂げるのが難しい仕事です。

私たちはまずPACEをしました。それから彼の目標を次のように設定しました。「チームの各メンバーの意見を十分に聴き、全員が毎日定刻に帰れるように仕事量を公平に任せるよう積極的に働くこと。」

オーガニゼーションのアクション・バランスのためのプレ・アクティビティの間私は、何が彼に働いて何が働かないかが実際にわかって、私は興奮しました。彼がスイマーをするとき、両手は「A」の字の先端で釣り合っていませんでした。上下の動きはできました。しかし、膝が痛むと文句を言いました。歩くとき、私は彼の左手だけが左足と一緒に振り出されるのに気付きました。

学びのメニューとしては、彼がやりたいアクティビティを選んでもらいました。彼は水をもっと飲むのと、前の晩に私がやってみせて彼が気に入ったシンキング・キャップを選びました。この二つの後にもう一度スイマーをチェックしましたが、彼の両手はまだ同じ高さではありませんでした。それで私はポジティブ・ポイントとフックアップ(私のお気に入りの一つ)を勧めました。

それからプレ・アクティビティを繰り返して、今回は両手で均等に「A」の字を作ることができました。歩いてみると、両方の腕を反対側の足と一緒に出して振っていました・・・その変化には驚いてしまいました。

私は自分が気付いたことについて彼に説明し、彼は1回目に歩いていたときは変な感じがしたと言いました。 彼はブレインジムのバランス調整をした後、直立状態ではなくゆったりと歩けるようになり、よりリラックスしたように感じました。チーム会議の前にどうすればポジティブ・ポイントやシンキング・キャップ、さらにフックアップを使えるかについて話して終わりました。バランス調整の終わりには、気分がぐっと良くなり、リラックスできたと彼は認めました。

◇Ask Dave コーナー
ホームページの掲示板に寄せられた質問にデイブが答える「Ask Dave」コーナーです。

質問:こんにちは。特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)と診断されて、筋緊張低下で感覚障害の6歳の息子がいます。言語・作業療法と社会的な技術のサポートのお蔭で、今は普通の幼稚園に通っています。友人がブレインジムの話をしてくれて、身体的側面についてちょっと気になるとはいえ、とても興味深く聞きました。どれくらいハードなんでしょうか?伝統的ではない療法にはずっと向かわずに来たので、少々用心深くなっています。ブレインジムはこのようなタイプの子供に合うでしょうか?子どもを見ずに言うのは難しいことはわかります。似たような体験談やどんな情報でも結構です。ありがとう。

デイブの回答:Brain Gym®(ブレインジム)のエクササイズはハードではありません。それは、歩く動作が基本のクロス・クロールや、8を横にした形に手を動かして目でそれを追うレイジー・エイトのような、自分で身体を動かす動きです。そしてまた、足と手を動かしている間、座ったままや横になったままでもできます。私は、筋緊張低下があるけどいくつか積極的な変化が認められる学生数人と共に活動しています。また他のブレインジムのインストラクターは、科学的に制御された状況ではないけれど、PDDのある学生の積極的な変化を報告しています。

Brain Gym®(ブレインジム)の動きは教育のみを目的としています。そして関連する学習スキルの感覚運動技能の開発・練習を助けるための準備を整わせる動きとして使われています。それは何か心理的あるいは医学的状態への治療を意味するものではないし、何かの状態を「治す」ことはありません。感覚の統合がうまくできないことによって生じる困難やストレスを軽減することで、その人が対処している状態が少し良くなるのを助けるものなです。また私には、新しい方法や脳の領域、脳の中の処理回路を新しく学び、新しいやり方で今までのものをもう一度つなげたりして、技術を取得/再取得するのを助けるようにも思えます。どんなエクササイズでもそうですが、ブレインジムのエクササイズのプログラムを始める前に、あなたの医師に相談してみてください。


◇ EDU-Kの秘訣:近所で講座が見つからなかったらどうしますか?
旅費を節約するために講座がもっと近くであったらという要望を時々人は口にします。ひとつの方法は、自分の家のある地域でインストラクターを後援することです。講座に無料で参加でき、移動にお金と時間を使わずに済みます。興味がおありなら、次のステップで始めてください。

1.どの講座にするかを決める。

2.興味をひかれたコースを教えるインストラクターを選ぶ。

ホームページ、www.braingym.orgを訪問して"instructor/consultants"をクリックしてください。国、州/県、市毎にアルファベット順にインストラクターがリストされています。特定のインストラクターが、Brain Gym®(ブレインジム)101の他にどのコースを教えるのを認定されているかを知るには、文字コードを参照してください。

3.都合がどうかをチェックするためにそのインストラクターと連絡を取る。

4.スポンサー/インストラクターの責任リストをインストラクターに求めてください。 (全てのインストラクターは独立した契約者であり、Brain Gym®(ブレインジム)インターナショナルの被雇用者ではないことに注意してください。主催者とインストラクターの間で、それぞれの希望と責任について概要を述べた書面の契約書を定めると役に立つでしょう。)ご質問があれば、喜んでお答えします。


◇The Q:バランスを探し求めて  デボラ・スコット・スチュードベイカー
情報と引用と質問の興味をそそるひとひら、「The Q」の新しい記事の時間になりました!

今月私は、バランスというテーマを探るのにわくわくしています。バランスという言葉そのものにはいろんな使い方があります。私たちは特定の目的のためにバランスを取ります。たとえば、小切手帳と財務会計の帳尻を合わせます。バランスを取ろうと赤ちゃんは一生懸命になり、バランスを維持しようと高齢者は心を悩まします。一生の間に、私たちはバランスを見出したり失ったりします。バランスを揺るがしたり、バランスを取ったり、バランスを取り戻したりします。身体や思考、感情、動きといったさまざまな要素の釣り合いを取るとき、私たちはバランスが取れたりバランスが崩れたりします。

私は作業療法士のノーマ・J.カークとマリー・E.ディマチアスによるこの特別な定義のシンプルなところが好きです:バランスとは「重力に逆らって位置を保つ能力である。」(8ページ)

特殊教育の教師のチータムとハモンドは内耳の「平衡感覚」(内耳前庭の)器官をこう表現しています。「概してその目的や作用は、身体がどの空間にあるかという感覚を伝え、また運動性の行為を行うのに個人に必要な姿勢と平衡(バランス)を保つことです。」(149ページ)

胎児にとっては、内耳前庭器官は最初に発達して環境についての重要な情報を脳に提供するものです。Bal-A-Vis-Xの考案者、ビル・ヒューバートはカーラ・ハナフォード博士を参照してこう述べています。「内耳前庭器官が未発達だと、バランスの不安定さ、頭を立てる反応の鈍さ、空間認識と方向感覚の貧しさ、それに目の協調とトラッキングにつながります。」(77ページ)

教育者のセシリア・ケスターは「バランスが視覚の明確化のカギであることを覚えておいてください」(40ページ)と私たちに求めます。その道の方へ是非とも立ち寄りたいと思います!しかし今はUターンして、Brain Gym®(ブレインジム)の創始者、ポールとゲイル・デニソン夫妻の話を聞きましょう。

デニソン夫妻は「EDU-Kインデプス:知性の7次元」の教本の中でバランスについて説明していて、私は二人が提供する大きな全体像をいつも味わっています。「バランスと均衡は、左と右、上と下、後ろから前への動きといった、反対のものの結び付きを必要としています。生命全体の存在は、これら反対のものの緊張と統合の文脈の中でのみ得られます。」(3ページ)

最後に、1937年に書かれたメイベル・エルズワース・トッドからのこのような前向きな言葉を読むとき、私は微笑まずにはいられません。「個人の身体的経済からすると、多くのシステムはバランスよく調和して働いているはずであり、思考はその活動のまさしく一部であるということが今わかります。」(3ページ)

つまり、これらの引用や考えは、またもや私をもっと知りたくさせるだけなのです!もしここの何があなたの共感を呼ぶようなら、info@braingym.orgの私宛てに連絡をください。今回もしくは他のどんな話題でも考えを分かち合いましょう。あなたが作る繋がりについてお聞きしたいと思っています!

出典:
・ビリー・アン・チータム、アリソン・A.ハモンド「子どもの学習と行動を改善する身体活動」
・デニソン夫妻「EDU-Kインデプス:知性の7次元」
・ビル・ヒューバート「Bal-A-Vis-X」
・セシリア・ケスター「動きを基礎にした学習」
・ノーマ・J.カーク、マリー・E.ディマチアス「学習障害および教室での成績と感覚統合との関係」
・メイベル・エルスワース・トッド「思考するボディ」


◇チームをよろしく:
イブ・ミミアガ(Brain Gym®(ブレインジム)インターナショナル事務長)

イヴは幸いにも11年以上もBrain Gym®(ブレインジム)インターナショナルの事務局にいます。
隅々にまで鋭い目を持つ何でも屋です。彼女の数多くの職責をここにちょっと挙げてみます。

・ホームページ上のインストラクターと予定表の更新
・経理と銀行関係
・出すものと来るものの郵便の処理
・事務局長の補佐
・電話の応対

イブは常に微笑みを浮かべて陽気な声で皆を迎えます。ものすごく心が広く、他人への思いやりが深いです。

彼女は家族に愛情を注いでいてこう話しています。「私は結婚して23年、二人の子の母です。私の宝は20歳のサムと17歳のメーガンです。」暇な時間には、イブは子猫と遊んだり、ヨガをやったり、困っているティーンエイジャーを助けたりしています。また、カリフォルニア州ベンチュラでの音楽ライブの情報を地元のコミュニティにお知らせする「ベンチュラ・ロック」と呼ばれる地元のホームページのためにも働いています。

◇「Brain Gym®(ブレインジム)グローバル・オブザーバー」を購読しましょう!
1年にたったの25ドルで「ブレインジム・グローバル・オブザーバー」を3冊購読できます。家族や友人にも送れます。詳細はinfo@braingym.orgへメールをください。

教育キネシオロジー財団/ブレインジム・インターナショナル
www.braingym.org
email: info@braingym.org


※記事の全容を英文でお読みになりたい方は下記へアクセスして下さい。
http://braingym.org/brochures/newsletter/July_2011.html
以 上

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