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EDU-K UPDATE 2009年5月号 | |||
皆様へ 「EDU-K UPDATE」が毎月ウェブ上のニュースレターとして登場してからこの6月でちょうど一年になり、その成果についていろいろ考えています。読者に役立つ情報源となっているでしょうか?いろいろな投稿者や筆者を取り込めているでしょうか?豊かな内容で人をひきつけているでしょうか?何を加え、あるいは変えるべきでしょうか? 一年を通じて得た好意的な反応からすると、私たちは正しい軌道に乗っていると言えるでしょう。編集長として本格的なニュースレターを作るという課題に挑めたこと、また同時に木や燃料を節約し、天然資源を浪費せずにすんだことをうれしく思います。しかしながら、季刊から月刊になって、EDU-K UPDATEの発行に取られる時間は飛躍的に増えました。更に言えば、新たな投稿者を引き寄せて多様化し、ニュースレターの内容を深めることが当初のねらいでした。 3つの次元にとどまってみると、形式(フォーカスの次元)と相互作用(センタリングの次元)がこのニュースレターにさらなる成功をもたらしていることに気がつきます。インターネットの利用を続けるためには、妥当なところとして、隔月のコミュニケーション(ラテラリティの次元)手段に変更し、運営にかかる時間を幾分自由にしたいと思います。そうすることで一層充実したニュースレターを作成します。ブレインジムにまつわるストーリーやいろいろなコースの体験談、皆さんが実践している方法など分かち合い、私たちの目標達成を手助けして下さい。info@braingym.orgへ記事を送ってください。トピックを新しくしていきましょう。 お祝いは私たちの活動で大きな部分を占めます。既刊の月刊EDU-K UPDATEを生かして、より内容の深い充実した形にしていきましょう。 シンディ・ゴールデイド(営業部長) カリ・コーディ(取締役) ◆ ブレインジム「ニュース/出来事」 【行事】 合衆国 ワシントン州シアトル: 8月8日〜9日 「個人と共同体の成功を支援する」 連絡先:ローズ・ハロウ rainroser@comcast.net 南アフリカ ケープタウン: 7月5日〜15日 「学びのための遊び、遊びのための学び」 連絡先:マルセル・シャーマン sshaman@mweb.co.za カナダ オンタリオ州: 8月1日〜8日 第9回カナダ夏季大会 「行動におけるブレインジム」 連絡先:モーリーン・プリースト email: maureen@braingyminaction.com http://braingyminaction.com/regis.html 【お知らせ】 今年の「ブレインジム・ジャーナル」の3月号と7月号は、特別合併号として夏の初めに発刊されます。今号ではブレインジムの有効性について世界中から寄せられた様々な報告と研究に焦点を合わせます。 ◆ 今月のスポット:トータル・コア・リパタニング(311 TCR) トータル・コア・リパタニング・コースでは、参加者がバランス、協調、注意力、学習に問題を抱える生徒のニーズに応えていくことを学びます。そのポイントは身体の前庭システムと再び繋がりながら身体の中心部から動くことを学び、生徒が自己の中心に落ち着いてグラウンディングするようにします。腰、肩、咬み合わせに問題のある生徒が楽にダンスしたり、歩いたり、ガムを噛むようになります。 南アフリカの作業療法士、リタ・エドワーズは、次のようにレポートしています。「前庭システムが普通に働いていないときには、筋肉に伝えられた不十分な情報量で、正常の筋緊張状態を保っています。私たちはエアーズ博士が開発した特殊なテストを用い、この筋緊張度をトータル・コア・リパタニングの前と後に測定しています。従来のセラピーでは、子供たちが平均値に達するほど有効に前庭システムを統合するためには3ヶ月かそれ以上かかります。しかしトータル・コア・リパタニングの後では、子供は例外なく通常の範囲内の結果を出します。 つまり、トータル・コアだと前庭システムの統合が非常に速くできるということです。前庭システムが脳の「受付係」として働くのです。この能力は学びにおいて非常に重要な役割を果たします。もし処理が不十分ならば、情報が脳の正しい部分に届くまでもっと時間がかかったり、情報が途中で失われて学習の機会がなくなってしまいます。トータル・コアで早く効果的に前庭システムを統合することによって、子供たちはずっと早く同級生と肩を並べることができるのです。」 ◆ コースを主催する こんにちは! 夏は元気を取り戻しリフレッシュする季節ですね。EDU-Kのコースも夏にはたくさん開催されます。いつも遠出しなくてはならないものでしょうか?いいえ、遠出は必要条件ではありません。自分の地域にインストラクターを呼んで講座を開くことはできるしょうか?ええ、主催者となれば、あなたの地元に特定の講座とインストラクターを招く事ができます。 先日主催することについて発表したので、その話を少ししましょう。主催者としてあなたの街に講座やインストラクターを呼ぶことができます。それはオーガナイズすること、マーケティング、会計処理、人と人とのコミュニケーションなど、様々な技量が必要とされる多次元的なプロセスとなります。 主催するメリットはたくさんあります。講座の時間中や時間外にインストラクターと話す機会が豊富にあります。裏話や教え、アドバイスなどをたくさん聞けます。データベースが増えて、ネットワークが広がります。主催者は無料で講座に参加でき、(通常は受講者の人数によって)報酬すら入るので、金銭的なメリットもあります。当然ですが家にいれば遠出の費用もかかりません。 上手に主催する手始めは、希望する講座へ見込まれる参加人数を考慮することです。あなたが主催したいと思う講座に準備が整い参加を希望する人、実際に参加できる人は誰でしょうか?講習を開くのに最も適しているのはいつでしょう?地元の人たちとの人間関係を利用して行事予定を片はしからチェックして、ちょうどいい実施時期を決めましょう。学校行事の予定や休日、土地の行事も考えましょう。 私の経験では、コミュニケーションは主催する上でのカギです。 口頭で、あるいは地元のEDU-Kのネットワーク、ビラ、ネット、電子メール、郵便、電話を使って、受講者を募りましょう。問い合わせには速やかに答えましょう。見込み参加人数や応募の状況、講座場所、宿泊等について定期的にインストラクターと確認しましょう。事前のコミュニケーションは余裕となり、主催する講座の成功へとつながります。 この夏私は、主催する側とされる側の両方を体験する予定ですが、あなたもやってみたくはありませんか?もしそうなら、手を伸ばし、質問をして、「主催」という名のすてきなプールへ飛びこんでリフレッシュしてみませんか? シンディ・ゴールデイド(アソシエイト・ファカルティ) ◆ Ask Daveコーナー ホームページの掲示板に寄せられた質問にデイブが答える「Ask Dave」コーナーです。 Q:私はいつも「Xを思い浮かべる」エクササイズを最後にやっています。それが一番楽なので。最近そのエクササイズがフォーカスと集中力の度合いを改善するバロメーターとしてもはたらいていることに気がつきました。始めたばかりの数日間は、脳裏にXが浮かぶもののしばらくすると動き回ってしまいました(Xを作っている2本の線が水平になり、ほんの一瞬垂直の線になってから回転して元のXに戻る)。ブレインジムのエクササイズを続けてみて(まだXのエクササイズを最後にやっています)、しっかりフォーカスしてイメージするXが静止するくらい、集中力が長くなってきたように思います。 A:体験を寄せてくれてありがとう。ブレインジムのトレーニングを受けたことがない多くの読者にも、あなたのメッセージは役に立つでしょう。ブレインジムの基本的な26のエクササイズであなたが前向きの体験をされた様子をうれしく思っています。 「Xを思い浮かべる」や「X」を見るエクササイズは、バランス調整と呼ぶ教育的 プロセスや、デニソン氏が開発した再パターン化のプロセスで、事前と事後のチェックに使っています。 学びのプロセスの前に行われる事前チェックは、参加者/クライアントが主題、スキル、タスクの何をもう学んだかを明らかにしてくれます。またそのことによって新しく追加して学ぶべきことは何か、改善の余地はどこにあるのかを体感するのを助けてくれます。ブレインジムでは、ここに神経学上のパターンとその発達が包含されています。事前チェックは、学びのプロセス(エクササイズ、再パターン化、その他ブレインジムのアクティビティ)が更に効果的となるように、変化が望まれる領域をより特定するのに役立ちます。事後チェックは、新しい学びが定着するのに役立ちます。 事前チェックとしてXを見る時、参加者の中には「線の先端は見えますが、交差する真ん中は見えません」とか「線が移動してじっとしていません」と応える人たちもいます。そのような参加者/クライアントも、一連の学びが順調に進み、バランス調整や再パターン化のプロセスで、学びのメニューとして選択した諸々のエクササイズが完了する頃には、ごく普通にXが見えると報告していました。 ◆ EDU-Kの秘訣 デボラ・スコット・スタッドベイカー <ブレインジムとは何か?> 「EDU-Kの秘訣」の目的は、EDU-Kのコミュニティに役立つ実用的な情報を扱いやすい形で流すことです。今月は「ブレインジムとは何か?」という問いかけで考える材料を提供してみましょう。 この質問に出合ったとき、あなたは簡潔で率直な回答をしますか?それとも口ごもったり、だらだら話したりしますか?広告では強烈で気の利いた言い回しを聞くと人はその製品へと気持ちが向くものです。あなたの言葉は扉を開けるでしょうか? 時折この問いをおしゃべりの話題にしてみて、職員、執行部、委員会を代表するEDU-Kのリーダーたちからその答えを得られるのではないかと思いました。ポール・デニソン、ボニー・ハーシー、カリ・コーディ、それにシンディ・ゴールデイドは気前よく自分たちが入力した答えを見せてくれました。私も自分なりの答えを作ってみました。 私たちは皆空欄を埋めるという同じ形式で作業しました。 ブレインジムは であり、それは のための である。 面白いほど幅のある回答でした。内容にのみ集中できるよう回答者の名を伏せてその答えを書き並べてみます。 ・ブレインジムとは、動きが学びとどんな関連があるかというプログラムである。 ・ブレインジムとは、年齢を問わずすべての人が脳と身体が最善のコミュニケーションを取れるようにする、動きが主体のプログラムである。 ・ブレインジムは、より大きな成果への潜在的可能性を解き放つ、動きのアクティビティのシステムである。 ・ブレインジムは、成功に必要な学びに関わる身体の能力、個人的な発達(姿勢、バランス、協調など)を扱う、動きが主体のプログラムである。 ・ブレインジムは、学問、理解(力)、創造(力)、自己表現などの場面で自信をもって力を発揮するために、自制心や注意力の持続、敏捷性を含む学びの身体的技術をすぐに使えるようにするような、動きが主体の学びのプログラムである。 このようなしっかりした回答が、ブレインジムのプログラムを他者と分かち合う時の支援となり理論となると考えています。単語や語句を選んで空欄を埋めるか、ご自分の文章を考えてみて下さい。あなたの回答をinfo@braingym.orgまでお寄せ下さい。 お寄せいただいた回答を(スペースの許す限り)掲載し、ご本人の発言としてお名前を表示したいと思います。世界中の人たちが人生で大きな成功を収めるのに役立つ画期的な技術を、私たちは持っているのです。それをわかりやすく表現していこうではありませんか。 ◆ 今月のファカルティ:レナーテ・ウェンネケス(ドイツ) レナーテ・ウェンネケスはブレインジムの公認インストラクターならびにインターナショナル・ファカルティであり、EDU-Kには1983年より従事しています。ドイツ北部のEDU-K協会で、EDU-Kの基礎コースと応用コースと並んで、ディベロップメンタル・キネシオロジーを教えています。成人した娘さんがひとりいて、森の中の美しい農園に住んでいます。 レナーテの話 私は1948年に生まれ、小さな村で育ちました。外で遊んだり、小さい子供にものを教えたりするのが大好きでした。だから教師になって未就学児教育の専門家になったのです。学習に困難のある子供たちを支援する方法を、私は必死で捜していました。1983年にポール・デニソンと出合い、EDU-Kのインデプス・コースがベルリンで開催されました。読むことに難がある子どもたちの場合、目の動きと正中線を超えるところのチェックをすべきなのに、教師として知らなかったことに気づいた時のショックは忘れることがないでしょう。それは学業で成果を挙げるためには身体の能力が必要なのだという新たな発見でした。 1985年、私は学校を辞めて自分で仕事を始めました。それからは順調に世界中を旅しながら私たちの考えを広めるために協会を設立して働いています。ブレインジムという活動の奥深さを説明するだけでなく、私たちに自然に備わった動きのプログラムを知って支えていくために、ディベロップメンタル・キネシオロジーのコースをつくりました。 ◆ ブレインジム物語 スザンナ・コベス(ハンガリー) ハンガリーの小さな町で10年間、私は仲間たちと能力と人格を発達させるトレーニングを開催してきました。1998年の夏、美しい金髪の8歳の男の子“A”くんは、黒いTシャツを着て目を前髪で覆うようにして私たちのキャンプにやってきました。何かを聞かれてもうつむいたままコミュニケーションを避けていました。お互い知り合いになろうと子どもたちが絵を描く準備を始めても、“A”くんは黒のペンでなぐり書きをするだけでした。 PACEのエクササイズをしている間中、彼は何もしないで立っていました。私は彼に近づいてふた口水を飲むように言って聞かせ、一緒にエクササイズを始めました。デニソン左右再パターン化(DLR)もやりました。翌日“A”くんはひとりでPACEをしていました。DLRは私と一緒にやり、午後には一緒にネック・ロールもやりました。三日目になると、“A”くんは赤いTシャツを着てにこにこしながらやってきて、言葉によるコミュニケーションを嫌がらなかったのです。キャンプの5日間、彼が大好きだとわかったネック・ロールを毎日繰り返しました。クロス・クロール・シットアップも加えました。終わりの日までに“A”くんはいろいろな色で花の絵を描き、笑うようになっていました。姿勢は真っ直ぐで力強くなり、アイコンタクトができるようになっていました。 終わりの話し合いで、“A”くんの母親から、彼が生まれる前に父親がガンで亡くなったことを聞きました。幼い“A”くんは決して笑わず、8歳になるまでに8回も自殺を図っていました。医者は鬱病と診断して薬を処方しましたが効き目はありませんでした。 キャンプ以来、“A”くんは主にブレインジムのプログラムを通して、自分は幸せであると悟り、人生を切り開き始めました。過去13年の実践の中でこれは一番美しい体験例のひとつとなりました。“A”くんは今年中等学校の卒業試験に合格する予定で、ティーンエイジャーの生活を楽しんでいます。 あなたの物語、記事、質問、体験談などを info@braingym.orgへ送ってください。件名に"Update“と書いてください。送っていただいたものはできたら掲載します。原稿は編集することもあります。 http://braingym.org/brochures/newsletter/May_2009.html | |||
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◆バックナンバー EDU-K UPDATE 2009年2・3月号 EDU-K UPDATE 2009年1月号 EDU-K UPDATE 2008年12月号 創設者ポール・デニソン博士のインタビュー記事 EDU-K UPDATE 2008年11月号 教育キネシオロジーの創始者ポール・デニソン博士のメッセージ EDU-K UPDATE 2008年8月号 |